Fujifilm X100VIの魅力と欠点:28万円の価値を検証
フジフィルムX100VIは、その長い歴史の中でも特に予約注文が多い機種です。発売前から大きな注目を集め、国内ではほとんどが抽選販売となりました。
なんと中国では80万台以上の予約があったとのことです。
このX100VIは、フジフィルムの90周年記念モデルとして限定販売されました。世界で1934台のみが生産され、日本国内では90台が販売されましたが、既に60万円前後で取引されています。初期ロットは多かったものの、それでも供給不足に陥っています。価格は28万円と高額ですが、それでも非常に人気がある理由を探っていきましょう。
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デジタルカメラでフィルム体験
フジフィルムの特徴は、デジタルカメラでありながらフィルムカメラのような撮影体験を提供することです。
X100シリーズやXT4、XH2などの他のシリーズも大人気で、特にX PROシリーズはモニターを見せずにフィルムシミュレーションだけで撮影するという、攻めたスタイルが若者たちに好まれています。
見た目とデザイン
レトロなデザイン
X100VIの最も大きな特徴はその見た目とデザインです。このレトロなデザインは本当に可愛らしく、持ち運びたくなるような魅力があります。
ソニーのα7シリーズやニコンのZf、Zfcなどもレトロなモデルを開発していますが、フジフィルムのデザインは特に優れています。若者たちの所有欲を満たすカメラの筐体であると言えるでしょう。
ファインダーの魅力
EVFとOVFの使い分け
X100シリーズの特徴であるEVF(電子ファインダー)とOVF(光学ファインダー)の2つを使い分けることができる点も大きな魅力です。
光学ファインダーは実際の風景をそのまま見ながら撮影できるため、特別な撮影体験を提供します。また、周辺の情報を確認しながらスナップ写真を撮ることができるのも便利です。
内蔵フラッシュとNDフィルター
内蔵フラッシュ
内蔵フラッシュや内蔵NDフィルターも非常に便利な機能です。特にフラッシュは、夜間や暗い場所での撮影に役立ちます。
内蔵NDフィルター
内蔵NDフィルターは、シャッタースピードを落として撮影する際に便利で、水の流れや動きのある被写体の撮影に適しています。
一体型レンズとデジタルテレコン
X100VIはレンズ一体型のカメラで、レンズを交換することはできませんが、デジタルテレコンを使うことで35mm、50mm、75mmの焦点距離で撮影することができます。
これにより、さまざまなシーンでの撮影が可能です。
進化したセンサー
今回のモデルでは、4200万画素のセンサーを搭載しています。これにより、写真の解像度が大幅に向上し、トリミングやクロップしても画質が損なわれません。
また、6.0段の手ブレ補正が搭載されており、動画や写真の撮影時に大きな効果を発揮します。
動画撮影性能
高画質撮影
動画撮影性能も大幅に向上しました。
最大6.2K 4:2:2 10ビットの撮影が可能で、4K動画も60フレームのスローモーション撮影ができます。
F-log2対応
さらにF-log2にも対応しており、映像制作におけるカラーグレーディングが容易になります。
進化したオートフォーカス
被写体検出機能が追加され、動物、鳥、車両、自転車、航空機、鉄道などの被写体を認識して撮影できます。また、最新のフィルムシミュレーションも楽しめます。
フジフィルムといえばフィルムシミュレーションです。デジタルカメラでもあらゆるフィルムを使って撮影しているかのような体験が可能です。
今回は最新のリアラエース、ノスタルジックネガ、エテルナブリーチバイパスなど、全20種類のフィルムシミュレーションを使って撮影できます。
使用感と欠点
重量とサイズ
重量が少し増えました。バッテリーとSDカード込みで約521gと、前のモデルよりも43g重くなりました。
使っていて重たいとは感じませんが、コンパクトデジタルカメラとしては重いです。ポケットに入れるのは難しいと感じる、しっかりとしたサイズ感です。
ケーブルの差し込み口
ケーブルの差し込み口が右側にあるため、マイクやHDMI、USB-Cケーブルを挿すと握りにくくなります。
ネジ穴の位置
ネジ穴の位置が微妙で、三脚のプレートを付けた状態ではバッテリーやSDカードの交換ができません。
レンズの進化不足
このカメラのレンズは前モデルと同じで、価格が10万円以上上がっているのに、レンズが変わっていないのは残念です。
SDカードスロットの対応
SDカードスロットがUHS-Iにしか対応しておらず、UHS-IIのカードも使えますが、実際の書き込み速度はUHS-Iまでです。これが非常に不便です。
強みと魅力
フィルムシミュレーション
まずは20種類のフィルムシミュレーションが素晴らしいです。カメラ内で撮影時にフィルムシミュレーションを割り当てて撮影できます。
動画撮影性能
動画撮影性能も大幅に進化しました。最大6.2K 30フレーム、4K 60フレームのスローモーション撮影が可能です。
デジタルテレコン
デジタルテレコンを使って35mm、50mm、75mmの3つの焦点距離で撮影できます。
データ転送
iPhoneとのデータ転送もスムーズです。
FUJIFILM X100VIのメリット&デメリット
メリット
- 限定モデル: 90周年記念のリミテッドエディションで、世界で1934台のみの限定販売。
- フィルムカメラのような体験: デジタルカメラでありながら、フィルムカメラのような撮影体験を提供。
- デザイン: レトロなデザインが魅力的で、持ち運びたくなるようなデザイン。
- ファインダー: EVF(電子ファインダー)とOVF(光学ファインダー)の使い分けが可能。
- 内蔵フラッシュ: 夜間や暗い場所での撮影に便利。
- 内蔵NDフィルター: シャッタースピードを落として撮影する際に便利。
- 一体型レンズ: デジタルテレコンを使って35mm、50mm、75mmの焦点距離で撮影可能。
- 高解像度センサー: 4200万画素センサーを搭載し、高解像度の写真が撮影可能。
- 手ブレ補正: 6.0段の手ブレ補正を搭載し、写真や動画の撮影時に効果を発揮。
- 動画性能: 最大6.2K 4:2:2 10ビットの撮影が可能で、F-log2にも対応。
- オートフォーカスの進化: 被写体検出機能が追加され、動物や車両などを認識して撮影可能。
- フィルムシミュレーション: 全20種類のフィルムシミュレーションが利用可能。
- データ転送のスムーズさ: iPhoneとのデータ転送がスムーズ。
デメリット
- 高価格: 価格は28万円と高額。
- 供給不足: 初期ロットは多かったが、供給不足に陥っている。
- レンズ交換不可: レンズは一体型で交換できない。
- ジョイスティック: 背面のダイヤルがジョイスティックで、回転ダイヤルではない。
- ケーブルの差し込み口の位置: マイクやHDMI、USB-Cケーブルを挿すと握りにくい。
- ネジ穴の位置: ネジ穴の位置がバッテリーの蓋と干渉するため、三脚のプレートを付けた状態でバッテリーやSDカードの交換ができない。
- レンズの進化不足: 前モデルと同じレンズを搭載しており、価格が上がっているのにレンズが進化していない。
- シャッター音の小ささ: シャッター音が小さく、撮影感があまり感じられない。
- F-log2でのノイズ: F-log2での撮影時にノイズが多く、ISOが高くなると特にノイズが目立つ。
- SDカードスロットの対応: SDカードスロットがUHS-Iにしか対応しておらず、UHS-IIのカードも使えるが実際の書き込み速度はUHS-Iまで。
まとめ
全体として、このカメラの撮影体験は非常に素晴らしいです。もちろん、いくつかの欠点もありますが、それでもこのカメラは非常に高品質です。
価格は高いですが、その価格に見合った価値があります。今後のカメラ開発やカメラ選びの参考になれば幸いです。
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